5人が死亡した焼き肉チェーン店「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件で、任意整理で清算中の運営会社フーズ・フォーラス（金沢市）は16日までに、裁判所の下で法的に整理を行う特別清算を来年2月17日に申し立てると発表した。 フーズ社によると、11月末時点の被害賠償を含めた負債総額は約19億6300万円。一方、同社の資金は旧20店舗の一括売却代金と保険金など約1億5千万円しかなく、「特別清算の中で、被害者優先の返済計画を立てるしか方法はない」（同社）と判断した。

特別清算の場合、債務の弁済方法に関して債権者の多数決で同意を得ることになる。フーズ社は被害者優先の弁済案を提案する構えだが、否決されれば賠償資金確保が一層困難になる可能性もある。

フーズ社は特別清算を申し立てた後、2月18日に福井市、同19日に金沢市と高岡市、同25日に金沢市で被害者向けの説明会を開く。同20日には金沢市で一般債権者を対象とした説明会も予定する。

事件では、富山など4県の6店舗で4月にユッケなどを食べた客約180人が、下痢などを相次いで発症。うち富山の6歳男児ら5人が死亡した。同社は現在、144人の被害者から賠償金の請求を受けたとしている。

引用：フーズ社が特別清算　2月に申し立て
（2011年12月17日 富山新聞）