ヤミ金 依然横行 |
2011/9/7 |
多重債務問題の解決を目的とした改正貸金業法が昨年6月に完全施行され、1年余が過ぎた。段階的な改正を経て県内の貸金業者数は激減し、多重債務被害の訴えも減少傾向にあるなど評価の声がある。しかし、生活困窮者に付け込むヤミ金業者も依然として活動。現金化や割賦販売など形態を変えて悪質な貸し付けを行う業者も横行しており、被害防止に向けた新たな対策も求められている。
県の県民生活課によると、知事の登録を受けた正規の貸金業者数は1999年の1081件をピークに減り始め、2011年3月末時点で67件にまで激減。改正による資格試験の導入や貸出金利の引き下げなど、登録要件の厳格化も大きく影響しているという。
登録業者数が減る一方、無登録や高金利で貸金業を営むヤミ金業者も依然として横行している。県警生活保安課のまとめによると、10年中の県内のヤミ金事犯の摘発は35件。11年は5月末時点で6人のヤミ金業者が逮捕されており、721万円の被害が確認されている。改正で禁じられた、債務者の預金通帳などを担保に融資する手口が目立つほか、中には以前登録を受けていたものの、改正によって更新が困難となり、ヤミ金化した業者もいた。
沖縄クレジット・サラ金被害をなくす会の上原修事務局長は「貸金絡みの相談が減っており、改正の効果が出ている」と指摘する。多重債務に関する相談は減少し、少額・少数の借り入れに関するものが増えたという。
しかし、新たな懸念もある。改正前後から目立ち始めたクレジットカードを悪用した現金化や、天然石・ネックレスを使った割賦販売などの被害相談が今も後を絶たず「被害防止に向けた対策が急務」だという。
生活困窮者のための制度の活用も求められる。上原事務局長は「根本的な収入の少なさをカバーする生活保護などの生活支援制度があるのに、現状ではまだ周知不足」と強調した。
引用:ヤミ金 依然横行 改正貸金業法施行から1年余
(2011年8月30日 琉球新報)
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