フィッシング:メール400万通 |
2012/2/8 |
警察庁が24日にまとめた不正アクセス禁止法改正案の骨子は、インターネット社会の安全を揺るがす「フィッシング」を初めて犯罪と位置づけた。現在は処罰対象でないため、フィッシングによってIDやパスワードを大量に収集するグループが暗躍し、詐欺や不正送金などの犯罪につながっている。捜査関係者は「フィッシングを取り締まることにより、犯罪の芽を摘み取りたい」と法改正の効果に期待している。フィッシングにより個人情報が流出してしまうと、その情報がヤミ金業者であったり、融資詐欺(貸します詐欺)業者、架空請求業者などに渡り、悪質な被害に遭われてしまう場合もございます。
約400万通--。広島など5県警が合同捜査で摘発した詐欺グループが、フィッシング目的でばらまいたメールの数だ。グループが入手したID・パスワードは約2万件。「成功率」は0.5%に過ぎないが、捜査関係者は「大半は空振りになると想定して大量のメールを送りつけるのが常とう手段だ」と指摘する。
グループはまず、特殊なソフトを使って大手オークションサイトから会員のメールアドレスを大量に入手した。オークション運営会社を装って「登録の更新手続きが必要」という内容のメールを一斉に送信。会員を偽サイトに誘導するフィッシングで、ID・パスワードや個人情報を得た。
さらに、これらの情報を使ってネットショッピングで家電製品を次々と購入。クレジット会社への代金は支払わず、「換金屋」と呼ばれる業者に転売して荒稼ぎした。グループによる詐欺の被害総額は8500万円に上る。一部のID・パスワードは1組6000円で売っていた。
広島県警は09年秋、北九州市のホテルの一室を捜索し、メンバーを詐欺容疑で逮捕。メール送信などに使われていたパソコン30台を押収した。その後、詐欺罪などでメンバー5人の実刑が確定したが、フィッシング行為そのものは処罰の対象にならなかった。捜査関係者は「フィッシング行為の段階で検挙できれば、被害を早期に抑え込むことができるはずだ」と話している。
引用:フィッシング:メール400万通 ID不正入手の手口
(2012年1月24日 毎日新聞)
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