破産しても手元に残せる意外なモノ |
2011/7/1 |
事業が行き詰まり、もしくは借財を重ねた末に破産に至る人は後を絶たない。とりわけ金融危機以降の世界的な不況で、各国で破産の申し立てが目立つ。
それでも、国によっては法律で、たとえ破産しても、手元になにがしかの資産を残すことを認めている。米国もそうで、州によっては「こんなものまで?」というユニークな財産も手放さずに済んだりする。米議会調査局が5月に発表した報告書から、いくつか事例を紹介しよう。
破産による取り立てから保護される財産で最も目につくのは銃器。アイオワ、ルイジアナなど複数の州がそうで、さすが「銃社会」の米国と感じさせられる。銃器犯罪の増加を受けて規制論議も盛んだが、「銃の保有は身を守るための権利」というわけだ。
面白いところではアリゾナ州。銃器のほか、タイプライター1台、自転車1台、ミシン1台、さらに聖書やなんと家族の墓地までが保護の対象になる。
動物や楽器も認められるのがオハイオ州とウィスコンシン州。オハイオは作物、ウィスコンシンはスポーツ用品もOK。金銭価値に換算した上限も設けられていたりするが、ここまでバラエティー豊かだと、「最低限の生活に必須の家財とは何か」で論議となるのも分かる気がする。
ちなみに日本では、さまざまな条件や例外はあるが、破産しても現金を含めて99万円未満の資産を残せる。「経済的再起をはかるなら一定の資産は必要」(破産法に詳しい弁護士)との趣旨からだ。
いざというとき、こうした知識を持っておいて損はないが、破産という悲劇に陥らないに超したことはない。顧客や友人、家族に悲しい思いをさせないためにも、節度ある暮らしを心がけたいものだ。
引用:【世界おもしろ法律事典】破産しても手元に残せる意外なモノ
(2011年6月26日 産経新聞)
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