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借用書では「借り受けました」「完済します」が必須
2011/4/25
なにかとトラブルの多いお金の貸し借りですが、今回、「借用書」の書き方についての記事がありましたので、掲載させていただきたいと思います。

 竹下正己弁護士の法律相談コーナー。今回は、「友人に金を貸すのですが、借用書を書いてもらうのにきまりはありますか?」と、以下のような質問が寄せられた。

【質問】
 友人から金を貸してほしいと頼まれて、貸すことにしました。金額は50万円、期間は5年です。念のため書面にしておこうと思いますが、どのように書いてもらえばよいでしょうか。決まった形式のようなものはあるのでしょうか。書いてもらうのは、名刺の裏などでもいいですか。

【本文】
 お金の貸借の契約は、金銭を実際に渡せば書面がなくても有効ですが、実際には書面にしておくべきです。なぜなら後日、返してもらう時に、借りてないとか、もっと少額だったと、とぼけられないためであり、返さなくてはならないという心理的プレッシャーが期待できるからです。

 そのため、貸したことや金額、返済義務とその期限などが明確になるようにしなくてはならず、「金銭消費貸借契約書」とか「借用書」といった契約書にすべきで、名刺の裏の利用は賛成できません。

   契約書では、貸主・借主が連名で署名しますが、借用書の場合は借りる友人が貸すあなたに差し入れる形式ですから、友人だけの署名で足ります。横書きなら、借用書という表題を書き、その下の冒頭に「○○○○殿」と借用書の宛名、即ちあなたの名前を書き、行変えして、「本日50万円を確かに借り受けました。」という文言を書いてもらいます。これが眼目です。そして、「借金は、5年以内に完済します。」と、借用期間を明確にしてください。勿論、具体的な日で特定もできます。

   期限を決めなければ、いつでも返済を請求できますが、放っておくと、10年間で権利を失う時効という制度の期間がスタートします。5年間と決めたのであれば、きちんと書くべきでしょう。行変えして日付を入れて、友人に署名押印させれば完成です。

 もし利息を取るなら、その約束が必要です。何も決めない場合は無利子です。期限に返さないと遅延損害金の制度がありますが、特約がないと年5%です。貸金の返済が心配なら、担保も検討事項です。また、友人が破綻状態になった場合などには5年前でも請求できるよう、期限到来の特約があると便利です。市販の金銭消費貸借契約書式などもあるので、それを使うほうが楽です。

引用:借用書書かせる時は「借り受けました」「完済します」が必須
(2011年4月10日 NEWSポストセブン)

たとえ友人や知人であっても、お金を貸し借りする際は借用書を交わしておきましょう。

借用書とは、金銭の貸し借りがあった事実を証明するものです。
しかし、借用書には法的な強制力はありません。
万一、お金を借りていた人が、どうしてもお金を返せないといってきたとき、貸した人は、借用書があっても裁判でもしない限り、強引にはお金を取り戻すことはできないのです。

このようなトラブルを未然に防ぐためには、「借用書」を「公正証書」にして、「金銭の返済が出来なくなった場合は、強制執行を受け入れます」などという一文を入れておきます。
公正証書に強制執行の文言が記載されていれば、期日までに返済がないとき、裁判を起こすことなく強制執行(差し押さえ)が行えます。

とくに大きな金額を貸す際は、公正証書にしておくことをおすすめします。

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