増える貸金業者間での債権移動 露骨な過払い利息逃れ/奈良 |
2011/2/23 |
◇債務者の返還請求困難に
貸金業者が譲渡や借り換えなどの方法で債権を別の業者に移したために、債務者が「過払い利息」の返還を請求できないケースが増えている。利息制限法の上限を超えて払い過ぎた利息の返還を求める動きが広がっているが、債権が転々と移動したことで責任の所在が不明確になり、譲渡先の業者が返還に応じない例があるという。多重債務問題に取り組む専門家や被害者団体は、利息の返還請求を逃れる手段に使われているとみて警戒を強めている。
「債権を譲り受けましたので、今後の支払い先は当社に変更になります」。09年5月、県北部の60代の男性宅に聞いたことのない業者から封書が届いた。経営破たんした消費者金融「アエル」に対する借金約250万円がこの業者に移ったことを知らせる「債権譲受通知書」だった。
「会社名を変えたんかな」。男性は深く考えずに従来通り毎月10万円の返済を続けたが、間もなく苦しくなって司法書士に相談。過去の取引履歴から、約80万円が過払いになっている可能性が判明した。
男性は業者に返還を請求したが、現在も実現していない。債権譲渡と同時に過払い利息の返還義務も引き継がれるのかどうかは、過去の司法判断にはばらつきがあり、譲渡先の業者に対する訴訟に踏み切れない。自宅に担保権が設定されている男性は「早く外したいのに」と頭を悩ませる。
多重債務者の被害者団体「奈良若草の会」事務局長で司法書士の川合俊輔さん(33)は4年前、2人の多重債務者から同じ内容の相談を受けた。2人は、大阪市中心部の雑居ビルにある貸金業A社の勧めに従い、同じ建物に入居するB社から融資を受けてA社への借金を完済した。
人の記憶ではA社と10年以上の取引があり、過払い利息が発生している可能性が大きい。早速取引履歴を確認しようとしたが、完済直後にA社は廃業、経営者には連絡がつかない。B社には「借り換え前の履歴はない」と言われた。
過払いの証拠をつかめないまま、少なくとも1人は返還請求を断念し、不本意ながらB社に「借金」を返した。川合さんは「二つの業者の経営者は親族同士で、実態は同一業者と推測される。露骨な過払い利息逃れだが、立証は容易ではない」と振り返る。
引用:大和路密着:増える貸金業者間での債権移動 露骨な過払い利息逃れ /奈良
(2011年2月18日 毎日新聞)
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